山里の人々が、何世代にもわたって受け継いできた「技」とは、森の恵みを無駄なく最適に生活の中に取り入れてきた知恵だ。
現在、私たちは、スイッチひとつでガスや電気が使えるようになり、便利で快適な暮らしを手に入れた。薪(まき)に適した木や、炭の焼き方を知らなくても生きていける。世の中がどんどん便利になっていくことはありがたいことだが、その結果、つなげてきた「技」を失ってしまうことも多い。
今年の夏、各地で「打ち水大作戦」が地域ぐるみで行われた。打ち水は気化熱を利用して涼をとるものなので、道路に撒いても、建物の屋根や壁面に撒いても効果がある。もちろん、雨水を使ったり風呂の残り湯を使ったりして、水を無駄に使わない。クーラーの室外機から流れ出る水を貯めておき、それを打ち水に利用するという方法もある。
地域ぐるみの「打ち水」は、温暖化防止にみんなで取り組むために、昔ながらの知恵を取り入れようという活動だ。
打ち水に限らず、昔はあたりまえだった習慣が、時を経て忘れ去られてしまうものがたくさんある。それを放置せず、次の世代に伝えていくことが大切だ。
最近ではめったに使うことのなくなってしまった「風呂敷」もそのひとつ。便利な紙袋やリュックサックにとって変わって久しい。今年、環境省では、ペットボトルの再生素材で作られた「もったいないふろしき」を世界中にアピールして、温暖化防止への取り組みを呼びかけた。
東京銀座のプランタン銀座では、ことし5月に社員自らが「ふろしき」の良さや使い勝手を実感するために、「ふろしき出勤デー」が実施され、好評だったようだ。デパートでの売れ行きも徐々に伸びているという。
使い捨てない生活、モノを無駄にしない生活へのヒントは、昔の人の知恵の中から学ぶべきことが多い。昔の人の知恵はすごい、と感心するだけでなく、みんなで行動を通して伝えていくことが、ひとりひとりの役割に違いない。
(更新日:2006年09月05日)
協力:チーム・マイナス6%
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